例題
【n×m盤】
n×mの大きさの盤を使用する。
【ランダム詰将棋】
着手は動かす駒を決めることしかできず、その駒が可能な動き方全体から等確率で1つ選ばれて動く。指定された確率p以上で詰みとなる着手列を求める。
[備考]
・攻方は王手を掛けなくてもよい。
・攻方は最短手数の詰みを目指し、受方はできるだけ詰まないように応じる。
・着手列Fの途中で詰みとなる場合も、「着手列Fで詰み」とみなす。
・千日手は考慮しない。同一局面が現れてもよい。
【Zero(零)】
(0,0)-Leaper。つまり、現在位置に移動する駒。
【駒詰】
玉が指定駒の性能になる。ルール名は例えば「角王」のように「駒名+王」で表す。
解答
攻方は金を動かし、受方は零王を動かす(常にその場にとどまる)しかない。受方零王が詰みであることは、攻方の金が31に到達することに他ならない。
攻方が2回指して金が31に到達する確率を考えよう。11金は確率\(1\)で21に動く。21金は確率\(1/2\)で31へ動き、確率\(1/2\)で11へ動く。したがって、攻方が2回指して金が31に到達する確率は、
\(\displaystyle 1 \times \frac{1}{2} = \frac{1}{2} \)
となる。
よって、着手列「金、零、金」で詰みである確率は\(1/2\)である。本例題では、確率\(0.7\)以上で詰みのときランダム詰将棋として詰みだから、「金、零、金」では詰んでいない。
攻方が3回指して初めて31に到達する確率を考えよう。2回指して31に到達していない場合、金は11にあるが、そこから1手で31に行くことはできない。したがって、攻方が3回指して初めて31に到達する確率は\(0\)である。
攻方が4回指して初めて31に到達する確率は、
\(\displaystyle 1 \times \frac{1}{2} \times 1 \times \frac{1}{2} = \frac{1}{4} \)
である。
着手列「金、零、金、零、金、零、金」で詰みである確率は、「攻方が2回指して金が31に到達する確率」と「攻方が4回指して初めて金が31に到達する確率」の和だから、
\(\displaystyle \frac{1}{2} + \frac{1}{4} = \frac{3}{4} = 0.75 \)
である。確率\(0.7\)以上で詰みだから、正解は「金、零、金、零、金、零、金 まで7手」。