【ご意見募集中】天竺+異王の問題点

2025年1月10日

2025/1/10 18:18 案2を追記しました。
2025/1/13 11:45 下記を追記しました。

駒井めいさんのコメントの通り、王手の評価順を手番かどうかで決める方法には大きな問題がありました。詳細は下記をご覧ください。

2025/1/13 駒井めいさんのコメントを受けて追記。2025/1/17 神無七郎さんの案を追記。 下記の記事に関する現状の整理です。 https://tsu…
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概要

天竺ルールで異王を使う際、王駒(玉属性を持つ駒)で王手を掛けようとすると王駒の利きが定まらない場合があります。この問題を解決するために、天竺の定義を再考しています。

以下をお読みいただき、どのように天竺ルールを定義するのがよいか、是非ご意見をお聞かせください。
本記事のコメントか、Twitter(現X)、Blueskyでご連絡いただければと思います。

詳細

天竺は、王手を掛けられているときに玉の利きが変わるルールです。

【天竺】
玉(王)の利きが王手をした駒の利きになる。

通常、玉で直接王手を掛けることはできませんが、双方の王駒が元々異なる駒の場合、王駒で直接王手を掛けることが可能です。そして、王駒で直接王手を試みると、利きが定まらない場合があります

例えば、下図の攻方王と受方角王の利きは変化しているでしょうか?

天竺1234角:角王

33王には11角王によって王手が掛かっているから、33王は角の利きになる。
33王は角の利きなので、11角王に王手が掛かる。よって、11角王は王の利きになる。
11角王は王の利きなので、33王に王手を掛けていない。よって、33王は王の利きのままである。
33王は王の利きなので、11角王に王手を掛けていない。よって、11角王は角の利きのままである。
11角王は角の利きなので33王に王手が掛かり、33王は角の利きになる……
このように利きの転写の無限ループが発生し、33王と11角王の利きが定まりません

例えば、「王駒からの利きの転写は1回まで可能」と定めれば、上記の無限ループは回避できます。つまり、以下のように定義します:

案1
【天竺】
玉(王)の利きが王手をした駒の利きになる。
ただし、利きが変化した敵玉によって自玉に王手が掛かるときは自玉の利きは変化しない。

この定義で先ほどの図を考えてみましょう。
33王には11角王の(本来の利きで)王手が掛かっているので、33王は角の利きになる。
11角王には33王が角の利きで王手を掛けているが、本来の利きではないから11角王は角の利きのまま。
確かに双方の王駒の利きが定まります。

しかしながら、利き転写の無限ループを止めるだけでは不充分で、王手の評価順を考慮する必要があります。

案1の定義に従うとき、例えば下図で14Gは可能でしょうか?

天竺1234G:Grasshopper王鬣:Lion王

手番側(攻方)の王手を先に評価するなら、11鬣はGの利きになり、14Gの利きはGのままです。よって、14Gと指すことができます。

手番でない側(受方)の王手を先に評価するなら、14Gは鬣の利きになり、11鬣の利きは鬣のままです。よって、14Gは自玉を王手にさらす禁手のため指せません。

このように、どちらの手番の王手(厳密には王駒への利き)を先に考慮して天竺ルールを適用するかを定める必要があります。

以下の案以外に天竺ルールの新定義のアイデアがあれば、是非ご連絡ください。また、どの案がよいかなど、ご意見をお待ちしております。

追記

天竺は本来の利きを写すのではなく、実際の利きを写すと考えるご意見を複数いただきました。
実際の利きを写すとすれば、「受方11角王・攻方33王」の図で利き転写の無限ループは発生しません。33王も11角王も角の利きに定まります。実際の利きを写すとすれば、利き転写の無限ループが発生するような状況はないと思います(要確認)。
なお、11鬣vs14Gの図でどちらの王手を先に評価するかという問題は残ります。

  • 案1:本来の利きを写す。王駒からの利きの転写は1回まで可能。
  • 案2:本来の利きではなく実際の利きを写す。

としました。

案1-1
【天竺】
玉(王)の利きが王手をした駒の利きになる。
ただし、利きが変化した敵玉によって自玉に王手が掛かるときは自玉の利きは変化しない。
手番側の王手を先に考慮する。
案1-2
【天竺】
玉(王)の利きが王手をした駒の利きになる。
ただし、利きが変化した敵玉によって自玉に王手が掛かるときは自玉の利きは変化しない。
手番でない側の王手を先に考慮する。
案2-1
【天竺】
玉(王)の利きが王手をした駒の利きになる。
ただし、本来の利きではなく実際の利きを写す。
手番側の王手を先に考慮する。
案2-2
【天竺】
玉(王)の利きが王手をした駒の利きになる。
ただし、本来の利きではなく実際の利きを写す。
手番でない側の王手を先に考慮する。

なお、王駒からの利きの転写は行わない「タイプB」をfmzaに設けていただこうと考えています。つまり、上記は「タイプA」の仕様案です。

補足

神無七郎さんから以下のメールをいただき、この記事を書いています。

(前略)
 このように、天竺ルールで玉属性を持った駒(フェアリー駒を含む)を
扱う方法には様々な方法が考えられます。
 そこで springs さんにお願いがあります。
 本件に関心を持ってくれそうな人に声をかけ、意見を募って欲しいのです。
 そこで方向性が定まったら、それに合わせてfmzaの天竺の処理を改修して
貰おうと思います。お願いできますでしょうか?
 仕様さえ固まればfmzaの対応は可能なので、自然なルール設定で、
面白い手順が出てくるルールになれば良いなと思います。

また、本件のきっかけは やべっちさん の下記の投稿です。

天竺について有識者の方にお聞きしたいです.画像の局面で,「受方玉の王手により攻方玉の利きが角王に変化」→「攻方玉の王手により受方玉の利きが玉に変化」→「受方玉の利きが変化したことにより攻方玉への王手が外れ元の利き(玉)に変化」→「攻方玉の利きが変化したことにより受方玉への王手が外れ元の利き(角王)に変化」→…と無限ループすると思うのですが,この理解で合っていますか?

やべっち (@yabecchi0210.bsky.social) 2024-12-27T08:08:07.580Z

天竺は本来の利きを写すのではなく、実際の利きを写すと考えるご意見は、無い段さん、若林さんからいただきました。

下書き的な直感メモ。まず角王とロイヤル王が向かいあった時の話。ここでロイヤル王の効きが登場するが、それは安南+天竺で桂になった金で王手をかけた時、王が金の動きになるような話でちょいとお門違いかと。角の効きの(再)転写による逆王手でいいだろう。

若林 (@wakaba77.bsky.social) 2025-01-10T08:24:36.267Z

さて本題。ロイヤル駒同士が違う意味づけの王手を掛け合うシチュエーション。天竺でなければ逆王手でおしまい。天竺だとどちらの王手による天竺効果を評価するかで結果が変わる。どちらにしてもややこしいので採用するならどっちでもいいかな。とりあえず、天竺の肝のルールである「ロイヤル駒の元の効きは消失する」という前提は押さえておきたい。

若林 (@wakaba77.bsky.social) 2025-01-10T08:29:25.713Z

まあ、それでもどちらかを選ぶなら、後手のロイヤル駒の元の効きによって王手が王手にならなくなるというのはスッキリしない感が強いので、先手の王手から評価したい。

若林 (@wakaba77.bsky.social) 2025-01-10T08:31:54.461Z
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